志望校に合格するための勉強方法:中高大受験共通

勉強を一生懸命しても、なかなか内容が身につかず成績が上がらないものですよね。しかも、成績が向上しない状態が続くと、自分には勉強の才能がないのではないか?と自信を失いがちになるものです。

実は東京大学に合格するような学生たちも、受験勉強を始めた頃は同じように成績が上がらず悩んでいた場合が多いです。しかし、なぜ彼らは偏差値を上げられたのでしょうか?

それは人間の記憶の定着メカニズムに基づいた勉強法を知り、受験勉強で活用してきたからです。この勉強法は受験に限らず、資格取得や語学習得などにも活用できるので、若いうちに身につけることをお勧めします。

定着メカニズムは人によって差がないので、誰もが効率良く学習内容を脳に刻められます。この記事を読んで記憶定着メカニズムを活用した勉強方法を習得しましょう。

ヒトの記憶定着メカニズム

ヒトの記憶定着率は「エビングハウスの忘却曲線」で表現できます。

あなたもご存知のとおり、ヒトは時間が経つと憶えたものを忘れていってしまいます。どの程度の時間が経つとどれくらい記憶を失ってしまうのか?その答えを実験で調べた人物がドイツの心理学者ヘルマン・エビングハウスです。

彼は被験者に意味のない3つのアルファベットの羅列を覚えさせて、その記憶がどれくらいの速度で忘れられていくかを調べました。記憶が残っている割合を時間に対してグラフ化したものが「忘却曲線」です。

この忘却曲線を確認して、私達の記憶のメカニズムを確認していきましょう。

1日経つと覚えたことの74%を忘れる

復習をしない場合のエビングハウスの忘却曲線

上に示したグラフがエビングハウスの忘却曲線です。グラフを見てわかるように、物事を覚えてから1日経つと、約74%の記憶がなくなってしまうのです。さらに1か月後まで記憶が残る長期記憶は覚えたこと全体の約21%(100-79=21%)にまで減ってしまうのです。

前日に英単語を100個覚えたのに、次の日に確認してみると30個程度しか意味を覚えていなかった...などといった、自分は記憶力が悪いのではないかと思わせる経験に心当たりのある方も多いのではないでしょうか?安心してください。覚えたことの7割を1日で忘れてしまうのは、ヒトとして当然のことなのです。

繰り返し復習すると忘れにくくなる

受験するにあたっては長期記憶の量を増やしたいですよね。ではどうすれば定着率を高めることができるのか?ずばり、繰り返し復習をしましょう。

先ほどのグラフに定期的に復習をした場合の忘却曲線を加えたグラフが下の図です。

復習を定期的にした場合のエビングハウスの忘却曲線

1回目に学習して1日後に復習、さらにその1週間後に復習すると記憶定着率は55%まで向上します。復習なしの場合21%と比べると、定着率は2倍以上になります。

携帯電話番号を個人情報で書いているうちに完全に覚えてしまうように、繰り返しの復習が記憶定着には重要なのです。

記憶の定着が良くなる勉強方法

制限時間を意識した勉強を促す画像

エビングハウスの忘却曲線を通してヒトの記憶定着メカニズムを確認して、定期的な復習が記憶定着に欠かせないものであることを学びました。ではこのメカニズムをどのように受験勉強に応用すればいいのかを順を追って説明します。

使う参考書や問題集を厳選する

繰り返しになりますが ”復習” こそが勉強において最も重要です。したがって、勉強に使う参考書や問題集を科目ごとに厳選して、本がボロボロになるまで復習する勉強法が合理的です。反対に、参考書や問題集をあれこれと手を出して、復習がおろそかになる勉強が最もダメな方法となります。

各受験、各教科でおすすめの厳選参考書・問題集を後日紹介しますので、少々お待ちください。

1日に解く問題数・1問を解く制限時間を決める

マスターする本を決めたら、次に1日に解く問題数と1問を解く制限時間を決めましょう。それぞれをルール化する理由は以下のとおり。

・問題数

期末テストや模試、受験本番などの日付までに問題集をマスターしなければ意味がありません。したがって、重要な日までにマスターできるように本を解き進める必要があります。

また、日によって気分で問題数を決めていると、復習すべき問題数がばらついて負担が大きくなってしまいます。

・制限時間

解き方がわからないから悩んでいて、上記で決めた問題数を解けなくなると本末転倒です。また、受験本番でも制限時間内に問題を解く必要があるので、日ごろから制限時間を設けておくと心の余裕が本番も保てます。

 

では具体的にどのように問題数と制限時間を設定すればいいのか。それぞれの目安は次の通りです。

・問題数

本の問題数の2倍を現時点から重要な日までの日数で割りましょう。例えば200問ある問題集を3か月(90日)でマスターしたい場合、1日あたり5(200×2÷90≒5)問解きましょう。

なぜ問題数を2倍するのか?それは同じ問題集を少なくとも3周(初めから最後まで計3回解く)するからです。周を繰り返すたびに問題を解くのにかかる時間が減るので、3倍ではなく2倍としています。

・制限時間

国語や英語の長文読解、数学の大問の場合は30分、その他は20分をお勧めします。なぜならば、受験本番の試験時間を大問の数で割ると、どの試験でもおおよそ30分になるからです。

なお、問題の解き方がわからない場合は、手が動かなくなって5分経った時点で解答を見ましょう。わからないものはわからないのです。時間を浪費しないようにしましょう。

解いたら日付と解答結果の印をつける

1問解き終わったら(または解き方がわからず降参したら)、解答をみて答え合わせしましょう。答え合わせが終わったら、翌日以降にどの問題を復習しなければいけないのか記録するために印と解いた日付を問題番号の近くにつけましょう。具体的には次の3種類の印を各ルールに従ってつけてください。

〇:制限時間内に解けて、解答の記述に不足がなく解答も正解だった場合

△:制限時間内に解けたが、記述に一部不備があった。またはケアレスミスをした場合

X:制限時間に解けなかった。制限時間に解けたが解答の方針が誤っていた場合

翌日以降は印に◯が付くまで毎日復習する

次の日になったらその日の分の新しい問題を解き始める前に、問題集の前のページを見返します。その中で問題番号近くの印が〇以外の問題をもう一度解きます

今回はすんなり解けるものもあれば、解答を忘れて前回同様に解けないものもあると思います。〇のルールを満たすように復習できた場合は、△やXを囲う〇の印をつけましょう。これで翌日以降の復習対象リストから外れます。

一方で復習でも解けなかった場合は印に手を加えません。〇印の条件を満たせるようになるまで、毎日復習しましょう。

全てに◯が付いたら始めからもう一周解く

復習をしながら問題集を解き進めて、全問に〇印がついたら問題集をまた1問目から解きましょう。2週目も1週目と同様に上に書いた流れで解きます。解答結果の印は1週目の隣につけましょう。

1週目はXだった問題を2週目に一発で〇をつけられると成長を感じて自信がつくものです。また1,2週目もXがついた問題は理解が弱い分野です。一度教科書や参考書で内容を確認するのも良いでしょう。

各科目の答え合わせの仕方

前項までで復習の重要さ、頻度を確認してきました。この項では各科目ごとの答え合わせの仕方を確認して、復習の「密度」を上げましょう。

よく模範解答を眺めるだけの人がいますが、それではなかなか内容が身に付きません。眺めるだけの人がこの記事で紹介した勉強法を行うと、復習すべき問題数が毎日膨れ上がると思います。こうなるとこの勉強法を続けるモチベーションが下がってしまいます。

したがって復習の時のことを考えて、1問づつ丁寧に答え合わせをする必要があります。丁寧さは人によると思いますが、私が実践してきた方法を以下で紹介します。

数学

解答の記述に不備があった場合(例えば条件の書き忘れなど)や全く解けなかった場合、解答をすべて手書きで丸写ししましょう。丸写しする過程で、なぜこの条件を書かなければいけないのか?などの気づきが得られます。また、丸写しを継続していると挨拶の型のように数学の解答記述にも型があることがわかります。

計算ミスをした場合はもう一度最初から手計算をしましょう。どこで間違えたかを確認して対策も都度考えます。たとえば次の式に使う値を丸で囲ったり、数字を丁寧に大きくかいたりするなどです。

国語

選択問題の場合はなぜ自分の解答が不正解なのか納得がいくまで、解説を読みましょう。どうしても納得できない場合は、学校の先生に相談しましょう。

記述問題の場合は模範解答を書き写し、解答を複数の要素に分解します。自分の解答に含まれなかった要素は本文のどこに記述されているのか丁寧に確認しましょう。

英語

基本的には国語と同様に答え合わせをしましょう。英語の場合は単語力を高めるために、本文でわからなかった単語、解答・解説でわかなかった単語を書き出して覚えましょう。

理科(物理、化学など含む)

理科は数学と同様に基本的にはわからなかったら模範解答を丸写しします。その中で公式の定義や化学反応の内容がわからなかったら、教科書や参考書を確認しましょう。

特に化学の場合は、反応や元素をインターネットで画像や動画検索して視覚を活用した理解に努めることをお勧めします。文字ではなく画像や動画は印象が強く残るものです。

社会(歴史、地理など含む)

基本的には解答を読んで理解に努めます。ただし解答に出てくる歴史上の人物や背景がよくわからない、地名や気候の想像がつかない場合はやはりインターネットで検索をしましょう。人物の小ネタを知ったり、地名の画像を確認することで脳に引っかかりができて記憶しやすくなります。

まとめ

繰り返しの復習をいかにシステマチックに実行するかを注力した勉強法となっています。単調な勉強法に見えますが効果は絶大です。この方法を自身で編み出して以来、ペーパーテストで落ちたことは一度もありません。ぜひ皆さんも実践して、目標達成に近づきましょう!